仇と徒
調べてみたら、仇桜の“仇”、当て字のようです。
本当は「徒」。
ヤフー辞書によると、
[1] 実を結ばないさま。かいのないさま。むだ。
・ せっかくの好意を―にしてはいけない
・ 親切のつもりが―となる
[2] 誠実さに欠け、うわついているさま。
・ 是(これ)素(もと)より―なる恋にはあらで〔出典: 金色夜叉(紅葉)〕
[3] はかなくもろいさま。
・ 花よりも人こそ―になりにけれ〔出典: 古今(哀傷)〕
[4] 扱いがおろそかなさま。粗略。
・ たしかに御枕上に参らすべき祝ひの物にて侍る。あなかしこ、―にな〔出典: 源氏(葵)〕
[5] 役に立たないさま。つまらないさま。
・ 荒れたる軒に生ひたる―なる草なれども〔出典: 十訓 8〕
[6] 俳論用語。蕉風俳諧で、無邪気でユーモラスな詩趣のこと。
・ 伊賀の作者、―なる処を作して尤なつかし〔出典: 去来抄〕
→(句)徒(あだ)や疎(おろそ)か
あだざくらの“あだ”は[3]。
一応、仇の意味も。
あだ【仇/寇】 《室町時代までは「あた」》
1 仕返しをしようと思う相手。敵。かたき。「親の―を討つ」
2 恨みに思って仕返しをすること。また、その恨み。「恩を―で返す」
3 害をなすもの。危害。「親切のつもりが―となる」
4 攻めてくる敵兵。侵入してくる外敵。
・ 「しらぬひ筑紫(つくし)の国は―守る押への城(き)そと」〈万・四三三一〉
[類語] 恨み
実のならない花を仇花といいますが、これも本当の字は“徒”でしょう。
なのに、別の意味のある同訓の字を当てたことによる混乱があるようですね。
“仇”の方が“徒”よりかっこよく見えるような気がしないでもありません。
昨日、カルペ・ディウムの出典の訳を出しましたが、
おわかりいただけたのでしょうか。
“明日が来るなんて、ちっともあてにはできない”と言っているのですから、
未来に対する今日という捉え方をいていないのは明らかです。
片手落ちなので、親鸞の句についても説明します。
親鸞の得度はわずか9歳の時。
その儀式を執り行ったのは、かの有名な慈円。愚管抄の著者。
すでに夜も更けて、支度の時間もあり、
明日にしたらどうかと言う慈円に詠んだという言伝え。
今だったら、落語家に弟子入りを願い出たら、
せめて、高校くらい出てから来い、言われたときに返す歌という感じでしょうか。
無理に今日しなくても、ということを、“今日したいんだ”と言い募る歌なんです。
少し引っ張り過ぎました。この話はこれでおしまい。
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・ せっかくの好意を―にしてはいけない
・ 親切のつもりが―となる
[2] 誠実さに欠け、うわついているさま。
・ 是(これ)素(もと)より―なる恋にはあらで〔出典: 金色夜叉(紅葉)〕
[3] はかなくもろいさま。
・ 花よりも人こそ―になりにけれ〔出典: 古今(哀傷)〕
[4] 扱いがおろそかなさま。粗略。
・ たしかに御枕上に参らすべき祝ひの物にて侍る。あなかしこ、―にな〔出典: 源氏(葵)〕
[5] 役に立たないさま。つまらないさま。
・ 荒れたる軒に生ひたる―なる草なれども〔出典: 十訓 8〕
[6] 俳論用語。蕉風俳諧で、無邪気でユーモラスな詩趣のこと。
・ 伊賀の作者、―なる処を作して尤なつかし〔出典: 去来抄〕
→(句)徒(あだ)や疎(おろそ)か
あだざくらの“あだ”は[3]。
一応、仇の意味も。
あだ【仇/寇】 《室町時代までは「あた」》
1 仕返しをしようと思う相手。敵。かたき。「親の―を討つ」
2 恨みに思って仕返しをすること。また、その恨み。「恩を―で返す」
3 害をなすもの。危害。「親切のつもりが―となる」
4 攻めてくる敵兵。侵入してくる外敵。
・ 「しらぬひ筑紫(つくし)の国は―守る押への城(き)そと」〈万・四三三一〉
[類語] 恨み
実のならない花を仇花といいますが、これも本当の字は“徒”でしょう。
なのに、別の意味のある同訓の字を当てたことによる混乱があるようですね。
“仇”の方が“徒”よりかっこよく見えるような気がしないでもありません。
昨日、カルペ・ディウムの出典の訳を出しましたが、
おわかりいただけたのでしょうか。
“明日が来るなんて、ちっともあてにはできない”と言っているのですから、
未来に対する今日という捉え方をいていないのは明らかです。
片手落ちなので、親鸞の句についても説明します。
親鸞の得度はわずか9歳の時。
その儀式を執り行ったのは、かの有名な慈円。愚管抄の著者。
すでに夜も更けて、支度の時間もあり、
明日にしたらどうかと言う慈円に詠んだという言伝え。
今だったら、落語家に弟子入りを願い出たら、
せめて、高校くらい出てから来い、言われたときに返す歌という感じでしょうか。
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by inunoyu
| 2010-04-11 08:31